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RAWA(アフガニスタン女性革命協会)の支援&連帯団体、「RAWAと連帯する会」による、お知らせ、ご案内、催し物情報等を随時掲載します。ホームページは http://rawajp.org/

ペシャワール会スタッフ殺害のこと

長いあいだパキスタンで、そしてアフガニスタンで、草の根の社会支援を行っている
ペシャワール会。
そのスタッフが「タリバン」に拉致され殺害されるという事態には、驚きでことばも
出ませんでした。
この事件について、RAWAと連帯する会の共同代表である前田朗さん(東京造形大学
教授)が書かれた文章をここに転載します。(2008/9/3)



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アフガニスタンに多少かかわってきた者として少しだけ、思いを記しておきます。


2002年から04年にかけてアフガニスタン国際戦犯民衆法廷を開催し、4
回、アフガニスタンを訪れました。その後は、RAWA(アフガニスタン女性革命協
会)と連帯するグループに加わってきました。ごくささやかな活動しかできてい
ませんが、RAWA創設者ミーナの伝記などを仲間とともに翻訳・出版してきました。


02~04年当時は、私の印象としては、まだしも「安全」でした。だから私も
いくことにしました。05年以後は状況が悪化したように思います。米軍、NATO
軍、アフガン軍による「誤爆」という名の民衆殺戮が続いていますし、「武装勢
力」も活動を活発化していました。(「タリバン」というのは、アメリカ側が勝
手にそう呼んでいるだけだと思っています。)


ですから05年以後は、パキスタンに行ってもカイバル峠までで、アフガニスタ
ンには足を踏み入れていません。私の判断では、長年の実績と信頼を積み重ねて
きたペシャワール会などは別として、私たちのようなグループはアフガニスタン
にははいれないと思っていました。まして、自衛隊の給油活動が大々的に取り上
げられて以後は、ますます厳しいと思います。


そうしたさなかに今回の事件です。ペシャワール会でさえも被害を受けるのかと
驚きました。もっとも、実際の犯行の原因や経過はまだよくわかりません。


責任について語る場合に、法的責任と、社会的(歴史的道義的)責任を区別する
のは当然のことです。いかなる性質の責任なのか、どの程度の責任がとわれるの
か、仕分けが必要です。定義もしないままに「責任」という言葉を振り回して議
論しても、得られるものはないでしょう。


事件に直接間接にかかわった人それぞれに自らの「責任」を問い返していること
と思います。かかわっていない私でも無念な思いを抱き、これによってペシャ
ワール会の活動が衰退しないことを祈っています。ペシャワール会の病院を2度
訪問しましたし、カンパをしたこともあるので、まったく無関係と言うわけでは
ありませんし。私自身のアフガニスタンへのかかわりについても、これから考え
ていきたいと思います。


なお、事件直後に、中村哲さんが「私の判断ミスだ」と述べたことに敬意を表し
ておきたいと思います。


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